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【土地活用・アパート経営】サブリース編

土地活用でアパート経営する際、管理業務全般を依頼する一括借り上げ(サブリース)というシステムがあります。その詳細について調べているページです。

サブリースとは?サブリースの仕組みを解説

サブリースとは、オーナーが管理業務を委託する会社と契約を結び、実質的な業務を代行してもらうシステムです。近年は多くのアパート・マンションオーナーがこの管理法を採用しているため、入居者と大家が直接やり取りする機会は減っています。

もちろん、対価は発生します。その目安は家賃の10~20%程度。70,000円の家賃の居室なら、1室につき7,000~14,000円、全10戸のアパートなら毎月70,000~140,000円の金額が管理会社に支払われます。

管理業務は家賃の回収から滞納の督促、共用部や居室内設備の整備、クレーム対応、そして入居者募集や退出後の原状回復までと、多岐に渡ります。これらをすべて代行してくれる便利なシステムであることに、間違いはありません。

サブリースのメリット

先述の通り、サブリースでは管理業務の一切を委託できるため、オーナー自身が物件から距離のある場所に住んでいる、他に仕事を持っている、そしてアパート経営自体が初めてである、などの場合でもスムーズな運営が可能となるメリットがあります。住人との間に生じるトラブルに、直接悩まされる心配もないのです。

またオーナーは毎月全戸分の家賃の80~90%を受け取れる契約となっていることが、一般的。空室や家賃滞納のリスクに悩まされることなく、安定した家賃収入を得ることができます。

さらに確定申告の際、オーナーは居室ごとの詳細なデータを集積せずとも、サブリース契約会社との間に生じた出納をまとめればよい、というメリットもあります。

サブリースのデメリット

上記だけを見ていると、良いことづくめに見えるのが、サブリースシステムです。しかし、デメリットもあります。

敷金礼金を受け取れないことが多い

まず収益面ですが、家賃の満額だけでなく、敷金・礼金を受け取れないことがほとんど。入居者の絶えない高収益物件であるほど、アパート経営の旨味から遠ざかります。

頼みの綱である「家賃保証」にも「免責期間」などが設けられている場合があるので、契約書はよくチェックする必要があります。

家賃収入が減る可能性も

また始めは順調な経営でも、経年劣化により、集客力はどうしても低下します。サブリース契約ではほとんどの場合、2年ごとの契約内容の見直しが行われます。その際に家賃の減額を提案されることも。これにより収支の計画が狂い、経営が破綻してしまうケースも少なくありません。

考えてみれば納得できない理屈でもないのですが、契約の際「継続的に安定した家賃収入が得られます」という営業トークを鵜呑みにしてしまう人が多いのです。

本当は怖い!サブリースの落とし穴

サブリースには、まだまだ怖い一面があります。

多くの不動産会社は、アパート建築と不動産管理をセットで提案します。その際、サブリース契約にメリットが多くても、実際は「建築費用の多くに上乗せが発生している」というケースがあるのです。また修繕やリフォーム提案の際、料金を上乗せする会社もあるようです。

不動産会社も一企業ですから、ユーザー主体のサービスばかりを展開するわけにもいきません。逆に良心的過ぎて、契約期間中に会社自体が倒産してしまったら…。

敷金の回収は困難となりますし、任せきりだった管理業務を一からスタートするのも、大変です。こればかりは全体のサービスをよく検討し、バランスの良い会社を選ぶしかないのかもしれません。

サブリースのトラブル事例

不動産投資を考えている方であれば、一度は「サブリース」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。シンプルに言えば、不動産仲介業者を介しての、物件の又貸しということになるのですが、気を付けないとさまざまなトラブルに巻き込まれてしまうことがあります。以下、トラブルの事例について説明します。

不利な条項で契約書に調印してしまうケースも

「サブリース」は不動産業者が物件を一括で借り上げ、オーナーに一定の賃料を払いながら、実際の賃料は不動産会社の収入となる、というシステムです。不動産業者がサブリースを勧めてくる際には、「空室が出ないように保証する」「入居者の滞納トラブルなどの窓口となる」「一定の家賃が入ってくるので収入も安定する」など、サブリースのメリットを紹介してきます。ただ、不動産会社がサブリースを勧めるのは、当然ながら、不動産会社サイドにもメリットがあってのこととなります。

具体的に言うと、「竣工後の免責期間が設定されており、その間の賃料が入ってこない」「将来の大規模修繕工事を不動産会社が指定する業者で行う必要があり、しかも工事費用が割高である」「オーナーサイドから契約を解除する際には多額の違約金が発生する」「礼金、更新料などのお金は不動産会社の収入になる」などです。こうした点は紹介の際に伏せられがちで、宣伝用の書面には書いていない、あるいは書いてあっても小さくて気がつきにくい、ということもあります。そして、契約書にはこうしたことが書いてあるものの、オーナーサイドが契約時に気がつかずに調印してしまう、ということもあります。

サブリースを契約する際には、メリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットもしっかりと把握する必要があります。上記のような条件の提示がない場合は、必ず不動産業者に細かく確認をしていくようにしましょう。

「借地借家法」によって契約を解消できない可能性がある

物件の契約をする際の法律として、「借地借家法」という法律があります。これは建物を貸す場合や借りる側が建物を建てる目的で土地を貸す場合に適用される法律で、貸した側が自由に契約を解除できない、と定められています。また、契約期間終了後の土地の無条件返却を契約書に明記していたとしても、向こうとなります。

借地借家法で契約期間を定めた場合は、「期間満了前1年前から6ヵ月前までの間に更新しない旨を告げる」「期間満了時に借りた側が返さない場合、異議を述べる」「契約を更新しないことに正当な理由がある」という3要件を満たさないと、契約を終了させることができません。また、「上記に反し、かつそれが借りている側に不利な約束をしても無効になる」ということも明記されています。ひと言で言えば、「借りている側の味方となる」法律だと言えるでしょう。

サブリースで土地や物件を貸す場合には、契約を解消したくてもできないという事態に陥ることのないよう、契約書の内容にかかわらず、借地借家法やその効力について知っておかないと、後で大きな不利益を被ることになりかねません。

借賃増減請求権で「出口」のハードルが高くなる

サブリース契約で、契約する不動産会社がオーナーに支払う賃料について、2年間は変更しないという取り決めをしていたとします。これは空室の有無にかかわらず一定の賃料が入ることから、オーナーサイドにとってはメリットの大きい取り決めとなります。

ただ、こうした取り決めをしていたとしても、不動産会社サイドから賃料の引き下げを申し出ることが、実は可能なのです。取り決めに基づいて拒否をした場合、不動産会社は裁判所に「借賃減額請求権」を行使することを訴えることが考えられます。

基本的に賃料は、当事者双方の合意によって決まります。つまり、変更の際も合意が必要になります。ただ、唯一の例外とされるのが、借地借家法32条に規定されている「借賃増減請求権」です。これは一定の要件を満たしていた場合には、合意がなくとも一方の請求によって賃料を変えることができる制度です。しかもこれは「契約の条件にかかわらず」と定義されているため、先の取り決めに関係なく、請求権は行使できてしまうのです。なお、条文には合わせて、「一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う」とあるため、賃料を変更しない取り決めをしていた場合、オーナーサイドからの値上げの請求はできず、不動産会社側の値下げは請求できてしまう、ということになります。

もともと、借地借家法は家を借りている人が家主の都合で一方的に家を追い出されることがないよう保護している法律です。しかし、サブリース契約をしている不動産会社に対してもこの法律が適用されるという判断が、最高裁判所で出てしまったのです。

そして、この内容に不満があったとしても、先に記載している通り、サブリース契約をオーナーサイドから一方的に破棄・解除することはできません。

サブリース契約は、契約の入り口に関して気を付けるべき点が多いのと同様、契約の出口の部分でもオーナーサイドに大きなハードルがあるのです。メリットばかりを説明されて舞い上がり、デメリットを認識しないままに契約を締結してしまうと、契約に縛られて大きなしっぺ返しをくらうことにもなりかねません。契約の際は、くれぐれも慎重に判断を下すようにしてください。

長所・短所を見極めたうえでサブリースの利用を検討する

一見理想的なシステムに見えるサブリースですが、その長所短所は、じっくりと検討しておく必要があります。

また「建築を依頼する会社と、管理を依頼する会社を分ける」という方法もあります。この場合、家賃保証を受けることはできませんが、その分費用もサブリースよりリーズナブル。もちろん、建築費用の上乗せを避けられることもできます。

空室リスクを恐れるあまりサブリース契約を結び、がんじがらめになってしまうくらいなら、別の管理法を検討するのも一案と言えそうですね。

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