このページでは、土地活用をするにあたっての、ガソリンスタンド経営とアパート経営を比較しています。収益モデルが全く違うのですが、条件が合うということであれば、ガソリンスタンド経営を前向きに考えてみるのもおすすめです。
ガソリンスタンド経営に適した立地というのは、ひと言で言えば、アパート経営に求められる条件とほぼ真逆です。アパート経営に求められる土地は、駅から近く、道路に面していない、車の交通量の少ない場所とされています。幹線道路沿いにある場所などは騒音も多く、あまり好まれません。
一方でガソリンスタンドは、自動車がガソリンを入れる場所ですから、道路沿いにあると便利なのはある意味で当たり前と言えます。もし、そうした土地を持てあましているのであれば、ガソリンスタンド経営を検討する価値は十分にあります。
しかし今日では、ガソリンスタンドの経営は非常に厳しいと言われています。石油価格の高騰による利益の減少に加え、エコカーの普及によるガソリンの消費量自体の減少、都心部における若者の車離れなど、原因はさまざまにあり、この20年間でガソリンスタンドの数はおよそ半分になったと言われています。
ただこれは、ライバルが減ったと言い換えることもできます。立地や周囲の状況を見定め、うまく経営を行っていければ、安定的に土地活用をしていくことにつながるでしょう。
今日ガソリンスタンドはセルフ方式のスタンドが主流となってきています。セルフ方式は、ドライバーが自分で自動車に給油するタイプのスタンドです。
セルフであれば人手が少なくて済むために人件費を削減でき、ガソリンを低価格で販売しても利益を残せます。ドライバーの心理として、ガソリンは1円でも安いところで入れたいもの。どれだけ車通りがある場所でも、ガソリンの値段が高いとお客さんの足は遠のきます。ガソリンスタンドを経営するなら、まずはセルフ方式を検討してみてください。
ガソリンスタンド経営には、さまざまなメリット・デメリットが考えられます。
ガソリンスタンドを作るのであれば、道路沿いに大きな土地を持っている必要があります。周囲にガソリンスタンドがなく、またそうした土地も他にないという場所であれば、ガソリンスタンドを出店することで近隣の顧客のニーズを一手に集めることができます。つまり、競合のいない状態で、その場所で安定的な経営が期待できる、というわけです。
自動車は社会インフラを担う、なくてはならない存在。自動車を走らせる燃料であるガソリンも、自動車がある以上必ず必要となります。ガソリンを提供するガソリンスタンドは、これからも社会インフラとして社会に欠かせない存在だといえるのです。
もちろん、すでに電気自動車などが出てきており、将来的にはガソリンに代わる燃料を使って走る車が主流になることも考えられます。しかし、それはまだまだ先の話ですし、そうなったときには柔軟に切り替えられるよう、設備の入れ替え費用を計画的に積み立てておくのも一つの手段です。
ガソリンスタンドを建てるには、広い道路に面し、余裕を持って車を入れられる広大なスペースが必要とされます。狭い場所だと、運転に不慣れな人がガソリンスタンドに車を入れる際にトラブルになりかねないからです。近年、小規模なガソリンスタンドは淘汰されていったのにも、そうした背景があります。
目安としては400坪から500坪程度の敷地面積が必要とされ、その条件の厳しさは、アパート経営と比べてガソリンスタンド経営を始めにくい理由の一つとなっています。
ガソリンスタンドを建てる際には、さまざまな設備を整える必要があります。特に、ガソリンを貯蔵するための巨大なタンクを地下に埋め込む必要があり、これには大がかりな工事が必要です。
また、このタンクはガソリンスタンド経営から撤退するためには撤去を行わねばならず、ガソリンスタンドだった土地を普通の更地に戻すには、おおまかに見て1000万円ほどの資金が必要です。これだけ撤退費用がかかる土地活用法は他になく、運営に乗り出す際のハードルとなっています。
ガソリンスタンドをやめて別の土地活用する際には、土壌調査を実施が必要となります。さらに、調査をして汚染が確認された場合には、きちんと対策をしなければいけません。汚染された土をすべて入れ替えるとなれば、億単位の費用がかかる可能性すらあります。
また、土は入れ替えなくてもアスファルトで覆ってしまえば運用・貸し出しはできるのですが、もし売却しようというのであれば、そのことを重要事項説明書に明記し、説明をしなくてはなりません。そうした土地は売買に関してトラブルになる可能性もあります。
ガソリンスタンドに向いている土地は、他の形での運用にも適している可能性が高いので、ガソリンスタンド運用で決め打つ前に、さまざまな方針を考えてみるようにしましょう。
ガソリンスタンドを再利用するのであれば、土壌汚染を調査した上で、必要に応じて土をアスファルトで覆い、汚染物質が人体に影響しない状態に整える必要があります。きちんと整えられたのであれば、他のロードサイド店に貸し出す方向で運用が可能です。
ロードサイド店として適している業態は、例えばコンビニやコインランドリー、中古車販売店、カー用品店など。立地が良ければ、借り手に困ることはないでしょう。
ガソリンスタンド運営を始めるのであれば、撤退後のことまで考慮しておくと、何かあった際の対応もスムーズになります。以下、ガソリンスタンド跡地の運用プランについて、いくつかご紹介します。
近年流行している、ものを預けるためのトランクルームとしての活用です。駐車場や賃貸物件のように安定した収入が見込め、設備投資も比較的安価で済みます。自身で運営し、利益を上げ続けるというプランも考えられます。
ガソリンスタンド跡地はある程度の敷地面積が確保されているので、太陽光発電投資など、土地を必要とする投資に活用する手段もあります。設備投資や経費、税金対策など、多様な面から検討してみるといいでしょう。
ガソリンスタンドは、安全上の問題からがっしりとしたつくりになっており、立地の面などを見ても、居抜き物件として人気があります。広々とした駐車場スペースを確保できることも、車での来客を見込む業態にはメリットと言えます。
最後に、相続税支払いにおけるガソリンスタンドの問題点を紹介します。ガソリンスタンド跡地を相続税の物納として活用することをお考えの方もいるかもしれませんが、ガソリンスタンドとして運用して土壌汚染が確認された場合、原則として物納はできません。土壌の浄化を行う場合は、規模によっては1億円を越える費用が発生することもあります。
ガソリンスタンドの運用には、メリット・デメリット共に大きなものがあります。それらを踏まえ、土地活用の判断材料にしてください。
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