土地活用・賃貸経営において利回りの数字は一番といっていいほど重要な数字です。けれど、利回りの数字だけに着目した結果、経営難に陥る人がいます。
ここでは、失敗しないためにも利回りによる失敗ケースや、表面利回り・実質利回りの計算方法をおさらいしていきましょう。
よくある失敗ケースとしては、高い建築費をかけて利回りの高い物件を作った結果、土地のニーズにあわず空き室が長く続いてしまうというケース。
高い賃料をもらうには、立地が良いか部屋が良いかの2択しかありません。土地の立地は持っているものによるため、多くの人は部屋の質を高くしたり、部屋数を多くしたり、といった方向に舵を切ります。そうなると建築コストが高くなりますが、利回りを考えるとそこまで絶望的なものではないと考えます。
しかし、実際に居住者を募集してみたら、このあたりに住み着く人は学生や若い人が多く、部屋の質よりも安さにこだわっていることが発覚。結果、ニーズにあわない質の高い物件は空き室がつづいてしまう。ということになります。
こういった失敗をしないためにも、利回りの数字だけでなく周りのアパートに住んでいる人はどんな層が多いのか、周辺環境にはどんな建物があるのか、といった市場調査を行うことが利回りの数字以上に重要です。
利回りは単純な売買価格と年間収益の割合で計算する「表面利回り」なのか、経費やリスクまで含めた「実質利回り」なのかで大きく異なります。以下のケースでシミュレーションしてみましょう。
(8万円×8室×12ヵ月)÷50000万円×100=15.36%
利回り15%となれば、高利回りと言える数値です。しかし、実際に運営するとなると、この計算式通りにはいきません。運用する上でのランニングコストとして、固定資産税・修繕費・保険料、購入時の諸経費として、不動産所得税・印紙代・登記費用などが必要です。
例えば、年間のランニングコストとアパート購入時の諸経費として以下の費用が掛かるとします。
上記以外にも細かな経費がかかることがありますが、ざっくりと年間ランニングコストは合計105万円、アパート購入時の諸経費は342万円となります。
すると、実質利回りは以下のようになります。
((8万円×8室×12ヵ月)-105万円)÷(5000万円+342万円)×100=12.41%
このように、3%近く利回りが変わってしまうのです。さらに、空き室が長く続いた場合は、家賃収入の8室が6室に減ることも可能性として十分に考えられます。
表面利回りだけでなく、実質利回りや空き室リスクまで考えたうえで、検討するようにしましょう。
上記のような話を聞くと「アパート経営は難しい」と感じられますが、良い不動産パートナーに出会えれば、立地に合ったアパートを提案し、コスト面にもアドバイスをくれるため、意外と簡単に長く利益を得られるようになります。立地に関しての知識や失敗談を身に付けて、よい不動産パートナーを選び、一流の大家さんになりましょう。
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